★この前の週は裏磐梯の雄大なスケールの秋模様を堪能したが、地元阿武隈にも少しづつだが確実に秋は降りてきていて、もしかしたらまだ早いかもしれないけど、のんびりとなだらかな阿武隈の山々を自転車で走ってみようと思い、小野町近辺を走ってみることにした。
この週末の天気予報は土曜日が晴れて以降崩れるという感じだったので土曜日の朝早くから走り回ろうと思っていたのだが、朝起きてみると以外にも曇り模様。
当然紅葉を楽しむなら晴れていたほうがいいに決まっているのだが、天気はどうにもならないし、まあ曇りの柔らかい光で見る紅葉もいいかなと思って、自転車を車に積んで出発した。
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スタート地点は、いわき西部を流れる夏井川の江田というところ。
ここは、すぐ近くの渓谷「背戸峨廊」の散策出発地点でもある。
今回はここを起点に西、つまり夏井川を上流に遡り、少し行ったところで鹿又川渓谷へ入って、高塚山、大滝根山麓を走る子安川林道を走って帰ってくる予定である。 |
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まだ紅葉は早いかなと思っていたのだが、車で夏井川渓谷に向かっている途中で、実は既にかなり紅葉が進んでいることを知ってテンションはウナギ登り!
崖から落ちないように運転するのに大変でした(^ ^;
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走りだすと時折、薄い雲の間から太陽が顔を出し木々の葉が色彩豊かに光る。
ここ夏井川渓谷沿いの県道41号は、紅葉の時期だからか結構交通量が多く他県ナンバーの車も多かった。
道幅も結構せまいので、車だとかなり神経を遣うのだが自転車だと景色を楽しみながらスイスイと走ってゆく。 |
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5キロほど走ったところで鹿又川渓谷沿いに走る県道に左折。
ここは夏井川沿いよりも黄葉が多く道全体が柔らかい光に包まれている。
風はひんやりとして冷たい。 |
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汗をかきかき登ってゆく。 |
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しばらくゆくと、開けていくつかの集落を抜けていく。
何と、まだ稲刈り前の田があった。
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途中で雨がぱらついていたが、気にせず走る。
峠を下ってしばらく行くと、県道36号に吸収され、すぐに平伏(へぶす)沼への林道入口に着く。実はこれから行く子安川林道近辺には、平伏沼という小さな沼があって、そこは日本有数のモリアオカエルの繁殖地となっているそうだ。
せっかくなので平伏沼にも立ち寄って行くことにする。 |
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ここも紅葉は盛りで、木々がきれいに色づいている。
惜しむらくは晴れていればもっときれいだったに違いない。
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息を切らせながら急こう配を登って行くと、雨は降らないが、次第にガスが濃くなっていく。
視界は開けないが、乳白色の霧の中に赤、黄、橙と色とりどりの水彩絵の具を浮かべているようで、これはこれで趣がある。
途中一台の車ともすれ違わず、聞こえるのは自分の息遣いと、遠くから聞こえる沢のせせらぎの音だけだ。 |
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偽のピークを下り、また登って下り始めるころ、沼への分岐が現れた。 |
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分岐を右折すると、ほどなく沼への入口になる。
ここからは自転車を置いて徒歩で沼まで歩く。 |
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霧の森の中も良い。
紅葉はやや終わりに近付いているが、淡い光を浴びて霧の中に浮かび上がっている。
そんな小径を歩くこと5分。。。 |
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沼に到着。
沼にいるのはもちろん自分ひとりで、辺りは静寂に支配されていた。
水面にはガスが漂い、鏡のように静かで木々の色彩が写りこんでいる。
当然季節はずれなのでカエルはいなかったが、きっとこの静かな水辺のどこかに眠っているに違いない。
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草野心平の歌碑がある。
いわき小川郷の出身で、カエル好きでも知られる。 |
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静寂の平伏沼を後にし、林道を下ってゆくと、広めの待避所に出た。周辺の紅葉がきれいだったし、もう12時を回っていたので、昼食にする。
今回はバーナーとコッヘル、それに真水をもってきたので、チキンラーメンを食べる。
ラーメンで冷えた体を温め再出発! |
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子安川を千翁川へ向かって下ってゆく。
ここで初めて車とすれ違う。
この川沿いも紅葉が見事だった。 |
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日本各地の紅葉の名所のように、何百人という人にカメラを向けられる木もあれば、同じくらい綺麗なのに人知れず散ってゆく紅葉もある。 |
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紅葉・黄葉のトンネルの中をしばらく下ると、千翁川にぶつかる。T字路を左へ曲がり、再び登り始める。 |
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途中、気持ちが良い場所が何か所もあり、そのたびにコーヒーを沸かして飲んでいたので、非常にゆっくりとしたペースで進む。 |
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直線の登りをのんびり登ってゆくと、遠くに牧草地が見え始める。 |
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高塚山・大滝根山へ至る道(左)との分岐。
右へ登ってゆくと・・・ 牧草地に出る。
ここは、以前も何度か訪れた場所で、開放的で大変気持ちいい。
ここも秋の景色になっていた。 |
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ここで最後のコーヒーブレーク。
阿武隈高原の牧場を見ながらパンを頬張り、コーヒーを飲んだ。 |
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後ろ髪をひかれる思いで高原を後にした。 |
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少し下って採石場を過ぎると、小野町へ向かって下る道になる。
舗装直前のフラットダートを思いっきり下ってゆく。 |
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あっという間に麓に到着。 |
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小野町を通過。 |
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このころには雲もなくなり、強烈な西日に風景のコントラストも高くなる。 |
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再び夏井川渓谷を下って江田に向かった。
渓谷は次第に薄暗くなっていく。
風も冷たい。
16時を過ぎるとまさに秋の夕日はツルベ落としで、あっという間に暗くなった。
駐車場には17時前に着いた。
余韻に浸りながら自転車をばらし、家に帰った。
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