四時川新緑ツーリング
2009.4.26
この日は午前中は雨。
今日は大人しくしているか、と観念しかかったころに突然部屋に光が差し込んだ。
まさに神の思し召し。とばかりにカメラを担いで部屋を飛び出した。
今日の相棒はDT50。
この前走ったのは昨年の12月で、長い冬眠の末少々グレてしまっていたが、十数分にわたる押しガケの末ようやく始動。
まっ白い煙をモクモクと吐き出しながら走り出した。

こういうときキックスタートだと助かるノダ。
輝く太陽と青く晴れ渡った空に誘われるように何故か山に向かう。
特に理由はないのだが、山桜がまだ咲いているだろうということ、新緑がそろそろ良い時期だろうというような軽い気持ちで四時川林道へ向かう。
四時川渓谷へは川部集落から横川目兼林道経由で入るのが定番コースなのだが、今日はR289から入る。
入る前は眩しいくらいのライトグリーンの反射。

森の中へ突入すると、ステンドグラスのような緑の天井。

どうしてこんなに生命力にあふれているのだろうか。
始めは愚図っていたDT50も新緑からパワーをもらったのか、いつの間にか快調である。
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すっかり忘れていたが、さっきまで雨が降っていた。
路面にできた水たまりにどこからともなく山桜の花びらが吹雪のように飛んできて落ちた。
それが春の暖かい、しかし谷間の冷気を含んで爽やかな風が吹いて一か所に集めていた。
しばらくそんな光景を見ながらボッっとした。
誰も来ない渓谷内。聞こえるのは木の葉がこすれる音、鳥の鳴き声くらいである。
橋を渡り四時川林道へ向かう。
途中「こみんかCafe」への分かれ道あり。
今度行ってみたい。
毎年秋、紅葉の時期は訪れるのだが、昨秋赤や黄に色ずいていた葉は燃えるような緑一色である。
普通の緑と新緑の緑とは色彩的には大きく違わないはずなのに、見る者にここまで印象の違いを感じさせるのはなぜなのだろうか。
ことに、春このような「若葉色」を見ると力強い生命力すら感じさせる。
これは単に春=(イコール)長い冬を耐えた生き物たちが眠りから覚め命を燃やし始める季節、という言葉による連想ではなく、
何かそいういった生き物の力に自分の心(それも無意識の最も深い部分)が共鳴しているからなのではないだろうか。
だとすれば、新緑に限らず美しいと感じさせる物事には、何か生命にとって本質的なことが隠されているのかもしれない。

何か、は分らないけれども。

しかし、分らなくてもいいのかもしれない。
ただ、どんなに小さなことでも美しいと心を動かされる瞬間が多いほど生きている充実感が得られているということは確かである。
気がつくと四時川林道を越え再びR289へ合流した。
このままr390で貝泊集落へ抜け、r71沿いに帰った。
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